東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属 教養教育高度化機構

Komaba Organization for Educational Excellence (KOMEX)

教養教育高度化機構は、教養学部において、部会・学科の枠組みを超え取り組むべき教育プログラムを実施するほか、部会・学科単位では実施することが難しい教育プログラムの支援を行う事を目的とし、前身である教養教育開発機構と生命科学構造化センターとの融合により、2010年4月に発足した機構です。

教養教育高度化機構は、執行委員会をコアにして、「伸ばす」「幅を広げる」「人と人とを繋げる」の三つの領域に属する各部門が有機的に連携し、国際社会を支える人材を育成するために教育開発を組織的に推進し、その成果を全国の大学に向けて発信するべくスタートしました。また、生命科学を先導例として知識の構造化、ICT技術を利用した教育環境の開発、討議力や課題解決力の育成のための教育手法の開発にも取り組んできました。

「タフな東大生」を育てる教養教育国際標準化事業(2010〜2015年度)を経て、教養教育高度化機構は、7部門体制(自然科学教育高度化部門、科学技術インタープリター養成部門、アクティブラーニング部門、社会連携部門、国際連携部門、初年次教育部門、環境エネルギー科学特別部門(部門名は2022年度時点))で活動を展開するようになり、2019年度にはこれらの部門を横断しSDGs関連活動の連携を強化する「SDGs教育推進プラットフォーム」を立ち上げるなど、今日的な課題への対応を強化してきました。

さらに2023年度からは、この動きを更に推し進め、初年次教育を中心に教育DXにより教養教育の質的転換をはかることを目指して既存の三部門(自然科学教育高度化部門、アクティブラーニング部門、初年次教育部門)を統合し、 Educational Transformation部門(EX部門)を立ち上げたほか、総合的な教養教育としてのD&I教育のモデルを形成・発信することを目的とした Diversity & Inclusion部門(D&I部門)を新設、さらに科学技術インタープリター養成部門を前身として、インタープリターの養成のみならず科学技術コミュニケーションの実践及びその研究の推進をはかる「科学技術コミュニケーション部門」を発足させ、これに既存の3部門1プラットフォームを加えた6部門1プラットフォーム体制を新たに取ることになりました。

教養教育高度化機構がその発足時に掲げた三つの目標、「伸ばす」「幅を広げる」「人と人とを繋げる」も、社会や大学の変化とそれに伴う教養教育への要請の変化と共に、その焦点や意味合いを変えてきています。教養教育高度化機構では新体制の下、そうした変化を受け止め対応する先進的・横断的な教養教育の試みを、引き続き支えて参ります。