自然科学教育高度化部門

本部門は生命科学だけが対象であった生命科学高度化部門(平成22年4月~平成25年3月)を自然科学全体に拡張して改組し、平成25年4月に設置された。本部門では、東京大学の知を集めて、急速に進展しつつある自然科学の情報をリアルタイムに収集し、大学における教養としてまた専門家育成の基礎となる自然科学の教科書を作成するとともに、学習のための補助教材の開発も行っている。

平成24年度までの生命科学高度化部門では、生命科学の3種類の教科書(理科一類向け、理科二・三類向け、文系向け)を作成した。作成した教科書は本学の前期課程の授業ばかりでなく、他の多くの大学の授業においても教科書として使用されている。また、留学生のために、教科書のWEB化や英語版教科書の作成も行い、インターネットで世界に発信している。このように、本部門は、東京大学の前期課程学生に対する生命科学教育の定着に寄与するとともに、本部門で作成した教科書は我が国の生命科学教育の充実にも大きく貢献している。さらに、インターネット上にある問題群に学生ユーザーが自らのアカウントでアクセスし、問題を解きながら履修内容を再確認できるシステム(LSキューブ)、論文を検索するシステム(英文検索エンジンCSLSサーチ)など、学生の学習を補助するシステムの開発も行った。

自然科学高度化部門となった平成25年度からは、化学・物理学を含めた自然科学の教科書の開発、また留学生を対象とした生命科学や化学の実習のための英語版実習書の作成を進めている。このように、教科書の作成や補助教材の開発を通して、教養または専門教育の基礎としての自然科学教育の充実に貢献すること、それが自然科学高度化部門の使命である。

平成27年度から部門名を自然科学教育高度化部門と変更し、自然科学教育を中心に活動を行っている。